JSL研修報告

平成27年度 第2回JSL研修の分科会報告(小川先生)

小川先生:

 中学高校グループは、高校進学を見据えた指導ということで、自分の自治体の高校入試の制度と過去問を分析して、どんな問題が出ているのか調べてきてくださいという宿題を出しました。ともかく敵を知らなければそれを突破できませんから。

 まず高校へ行くことの重要性を皆で話しました。高校は3年間なり、4年間ありますから、その時間があれば生徒たちは、日本語も教科学習もできるようになり、年齢相応にいろいろなことを考える力がつきます。それから社会に出てほしいということで、とにかく高校へ行こう、と確認しました。

 入試で教科の点数がとれなければ、高校への道は開けないわけです。そのためには入試から逆算して中学校の学習計画を作る必要があります。中3では、教科は在籍の教室で受けられるようになって、進学に向けた指導の部分をこちらで補充する。そこまで持っていくためには、2年生の時には、理科・社会・国語の授業をなんとか分かるようになるところまでもっていこう。したがって、1年生の段階で英語と数学はすぐに教科に取り組んで、教室の授業についていけるようにしておこう。日本語はゆっくりやり直す時間は作れないから、しっかり一発で理解を確実にして進めていこうということになります。日本に来た日から、入試の日まで見通した計画を立てなければならないのだという話をしました。

 さて、入試で点数を取ることを考えたら、英語と数学は最初から勉強をはじめなければなりません。英語については、英単語を覚えるなら、その日本語訳も一緒に覚える、というように、英語の教科書を日本語学習にも活用するというところから指導案を考えました。

 数学はどこの県の入試でも欠かせません。計算は大丈夫でも、「証明」は実は易しい問題なのに、在籍学級で「証明」をやっただけでちゃんと理解できる生徒はほとんどいません。それは「証明」の単元に入った途端に日本語の説明が増えるからです。ある程度日本語はできるはずなのに、授業で先生が言っていることはわけがわからないということで、みんなここで沈没しちゃうのです。これを一回JSL数学として取り上げておくと結構クリアできて、入試の証明問題も解ける生徒も多くなります。大きな関門なので具体的にどうするか、今日は「証明」で指導案を考えていただきました。では報告をお願いします。

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報告

 みなさんも日本語のテキストをいろいろご存知だと思いますが、小学生向けと大人向けはいろいろあるのですが、中学生向きというのがなかなかないのです。それで目をつけたのが英語の教科書です。英語の教科書の特徴は、人権・環境・文化など、たいへん知的な内容をシンプルな英語で表してあるというところが特徴なので、じゃあそれを日本語にして、日本語の練習に使ってみることはできないのだろうか考えてみました。

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 英語の教科書というのは大きく分けて会話文と説明文からできています、会話文の特徴というのは省略が多いのと、文章がとてもシンプルで短いことです。これを使って、理解を確認するために、例えば省略した文章を完全な文にしたり、その中でQ&Aで内容を読み取ったりということに使えるのではないかと思いました。

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 次は説明文で、ここに提示しているのはガーナの紹介文です。「ガーナはアフリカの西部に位置しています」「ガーナの首都はアクラです。公用語は英語です」とか、「チョコレートはカカオ豆で作られています」みたいなお馴染みの文章です。

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 この日本語訳を読解教材として扱い、次にこれをモデル文として自分の国を紹介する作文を作ることを考えました。中国籍の子でしたら、「私の国中国はユーラシア大陸の東部に位置しています」とか「中国の首都は北京です」などです。自己表現とか、多文化理解、異文化理解につなげることができるのではないかと思いました。英語の授業で扱う前に日本語の学習で予習的にやっていくと、十分に内容を日本語で味わっているので英語で出て来たときによく分かるようになるでしょう。

【小川補足】英語の教材の中から、「マザーテレサ」についての文章を既習レベルの日本語に訳した文章で、日本語の読解教材として活用した例を紹介しました。また、英語で「受け身文」を学習する単元に入る前に日本語の受け身を勉強しておく必要があることをお話ししました。そうすれば、英語の受け身文を日本語に翻訳することは、そのまま日本語の受け身文の勉強にもなります。

 英語の教科書は、中学生の関心・興味に合わせて作られているので、中学生の日本語学習に生かせる「材料」はいろいろありますが、英語の教科書を日本語に直訳すれば日本語の教科書になるわけではないということを確認しておきたいと思います。

 次は数学です。中学校2年生の「証明」の問題について考えました。証明する内容は、角の二等分線の作図法は、どうしてそのやり方で角が二等分できたことになるのかを、三角形の合同条件を使って、証明します。

 そこで考えた内容を(0)~(3)にまとめましたが、話し合いをしてみて気づいたことを発表します。

(0)、数学は積み重ねの教科なので、生徒たちは日本語は初期でも学習参加をしたほうがいいと改めて確認をしました。実際に「証明」の問題をどうやって教えていくかと考えたときに、

(1)そもそも「証明」とは何ぞやということで、概念の理解を、数学とは離れた日常場面から生徒たちに理解してもらうところからスタートすることにしました。特に非漢字圏の生徒は、「証明」という漢字を見ても、何の勉強をしているのか、わかりません。

(2)「教科書を読解教材として使う」と結論を書きました。

 実際には、言葉の理解は難しいところもあるので、「角の二等分線を~」とまず始まった時に、「角」は何か、「二等分線」は何か、二・等・分・線の漢字ひとつずつから漢字の意味を理解するところから始めます。また、二等分線の作図の方法は一年生の学習内容ですが、そこに立ち返って生徒たちに実際に作図させることも必要だと気付きました。

 教科書の文章を読んでみると、学習用語でかなり難しいところがあり、その理解の手立てを知りました。日常会話で使う「同じ」「だから」「で」という言葉は、数学の証明で使われるときには、「等しい」「したがって」「何々において」などと表現が変わります。意味を確かめて、生徒たちは実際にこの言葉を使って文章を作ってみます。じゃあそれは教科書の方ではどんなふうに使っているか、教科書を見て証明文の読解に入ります。

読解というと国語のイメージが私自身はあったのですけれど、理論的な読み取りをすることとか、思考の過程を書かせるということが有効だということがわかりました。最後の段階では、自分で証明を書き、それを自分の言葉でみんなに説明をするといった練習もしっかりやって、説明の場面で実際に使える日本語力をつけることが大切です。

 理科の教科書も読解教材として有効だということも教えていただきました。

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平成27年度 第2回JSL研修の分科会報告(西村先生)

西村先生:

 私たちの班は指導計画を作ってみようということでスタートをしました。

 まず、指導計画とはそもそもなんだろうというところからスタートしました。メンバーが小学校、高校、指導員という違う立場でしたので、まず共有をするということから始めました。ブレインストーミングな形で4人のなかで共通項を見つけていくということをしました。午前中はそのような活動をして、指導計画の内容がなんとなくわかってきたので、午後それを作りましょうということで、お昼にしました。

 午後は午前中に出てきた項目から枠を作るところからスタートしたのですが、日本語能力のどんな方法がありますか?それは具体的にどういうことをしますか?と一問一答式になってきてしました。だんだん辛くなってきたのですが、先生方が「実際にやりましょう」と言ってくださって、あとは、先生方にお任せしました。枠として、名前はいりますよね。ほかに、来日時期・生年月日・どんな動き方をしてきているのか・どんな日本語力がいるのか...というのをだしていただいて、枠ができたので、その枠に実際に子どもを想定して計画を作っていただきました。

報告(写真参照)

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受講者感想

① 私は今年日本語指導をしている子どもが33人います。今日は33人の個別指導計画の基本パターンを教えてもらって、あとは自分の力で作れるようになりたいと思いました。日本語指導の先生とペアで、自分の担当の子どものことを具体的に話をしながら進めました。いろいろなアイディアをもらい、どんどん計画が埋まっていきました。具体的に作業をしながら、体験学習をしながら力をつけていける方向性が見つけられたので、今日は最高の収穫を得て帰れます。ありがとうございました。

② 私は外部の日本語支援員という立場なので、今日初めてこういう風に実際に小学校で日本語を教えてらっしゃる先生と組んで計画を作りました。指導計画を作る作業ってなんて楽しい作業なのだと思いました。今までの私は、取り出しの日本語だけを見ていたわけです。私が今ここで教えている取り出しの日本語は、はたして学校の動きに合っているのか、合っていないのか、そして効果的なのかってずっとなんとなく分からないままやっていて、実際のここの原型を見ながら一緒に相談しながら作ることによって、どのタイミングで何をいれていけばいいかってことが見えてくる。すごく楽しい作業でした。一緒だった先生がこれで33人分作れそうですっておっしゃってくださったので、ほんとによかったなと思いました。

西村先生:

 ここは、ほんとは7名でのグループだったのですけど、今日は4人になっちゃって最初さみしいなって思ったのですが、すごくやる気あふれるチームで頑張ってくれました。今のまとめにもありましたように指導計画は、「枠ありき」ではありません。それから、連携がなかなかとれない、分かってもらえない、というときに、「私達こんな計画をしています。先生どんなことをしていますか」という風に、連携を取るにはって考えた時に初めて指導計画が平面から立体になる。今日の午前中の菅原先生のお話の中にもあったように、形ではなくて実際の子ども姿で考えていって、具体的に動いていく中で初めて指導計画は子ども達に意味のあるものになるのではないかと今日実感しました。ありがとうございます。

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平成27年度 第2回JSL研修の分科会報告(濱村先生)

 私達(濵村)のグループはJSL国語の授業づくりでした。午前中に濵村の日本語学級の国語指導で今まで作った教材や指導案を見てもらい、午後は指導案を作りました。

 指導案作りでは、指導案の書式3枚綴りを用意しました。一枚目は、「単元目標を設定する」ものです。教科書の教材をよく見て、児童にねらえそうな目標や学習活動を考えます。二枚目は、「単元の指導計画」です。ワークシートも含めて単元の指導計画を立てます。三枚目は、「本時の指導」です。

 今回の演習では、6人が2人ずつの3班に分かれました。各班、力を入れた部分が違うので、指導案3枚のうち2枚ずつ紹介します。また、指導案作りは、2人の作業ですが、互いに地域環境も児童の実態も指導形態も違います。架空の児童を無理に想定することはやめて、児童の実態は空欄にしました。

 「国語の教材を使った指導案作り」は、私もある程度イメージしていました。しかし、参加した先生それぞれに、地域性や子供たちの実態、指導形態等の違いがあり、指導案作りの過程は私の予想とは違ったものでした。今日の成果として、先生方が指導する学級の実態に応じて作った指導案(下記)があります。時間が限られていたので未完成ですが、これらの指導案から、みなさんの児童、学級、学校、地域に合ったヒントが得られると思います。

報告 ① 4年「新聞をつくろう」

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 この班は、「児童が取り組める」活動かを大切にしていました。はじめは別単元を題材に考えましたが、地域的に児童が活動しにくいと考え、より能動的に取り組める「新聞をつくろう」にしました。

 また、この班の良い点は、視覚的な資料を使って、語彙を増やしていこうという点です。『いくつかの読みやすい新聞記事の中から、好きな記事を見つけて発表する活動』や『見出し、写真や記事などをあらかじめ切り取っておいて、ペア探しをして、新聞の用語を学習させること』など、児童が視覚的に理解しやすく、意欲的に取り組み、語彙を増やしていく工夫をしています。

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報告② 2年「おもちゃまつりへようこそ」

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 この班の良いところは、児童の「体験」を大切にしているところです。子供たちがいろいろな体験を楽しみながら学習を進めることを重視しています。実際に遊ぶこと、パズル形式、手を動かす作業などを取り入れています。

 更に、親へのインタビューなども活動にいれて、「自分の国のおもちゃを調べて発表」させており、自尊感情を育てるのにとてもよい活動です。2年生で日本語学級に通級する児童には、関係国の文化を知らない児童もいます。配慮点として、「児童が自分の国のおもちゃを知っているかどうか」を挙げていることも大切な点です。その場合を考えて、保護者にインタビューしており、自分の文化を学び、世代や国の架け橋にもなるよい教材の扱いです。

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報告③ 4年「だれもが関わりあえるように」

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 この班のよい点は、『単元を教える難しい点』にあえて焦点を当てているところです。『主体的に、調査、観察する姿勢を身に着けさせることは難しい。でも、大切な指導事項だ。』として、児童が調査できる「小田急線の看板やATM」という「方法」も考えました。また、児童やその家庭自身がマイノリティでもあります。自分たちの困った実体験に児童の気持ちが沈まないよう配慮をするとともに、「マイノリティからの発信ができて、自分たちの生活の変化につなげたい」という希望もお二人の指導案作りに見えます。

 感想の「複数で取り組むとアイデアがいっぱい」に今回の研修会の意義を感じました。

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平成27年度 第2回JSL研修の分科会報告(大菅先生)

大菅先生:

 私のグループは授業作りではなく、ざっくりと「体制作り」をしました。6人の先生方が、それぞれの立場で、いま体制作りの課題と思っている所をはなしていただきました。そのなかで、「これはこうしたら良いのではないか」とかアイデアが出ました。

報告

 それぞれの地域の特性、学校の立場の違いのある中、一件目に出たのが、コミュニケーションのツールとしての母語支援でした。全く日本語がゼロの場合、やっぱり学校としてまず母語が話せる人を呼んでしまう現状があるということを問題にしました。外国人が多く住む地域であれば、誰かを呼べるけれども、少ないところだったらどういう支援が考えられるだろう。とくに、警察であるとか児童相談所などそういう治安の問題が起きた時に、どうするのかをまず課題にしました。地域の国際交流協会などに支援をもとめる方法と、あればですが、第3者としての立場でNPOなどで外国人支援をやっている方に声を上げることも大事かと考えました。もう少し違うアプローチとして、そういう事例が起こる前に、自治会などにも働きかけてまき込んでいく方法もあるのではないかという話がありました。

 2点目に出たのが、個別の指導計画を立てる時に、どういうことを盛り込めば良いのかということです。評価をどう保護者に伝えるのか。評価の紙を全部翻訳した方が良いのか、や、翻訳したところで親の言語能力が低かったら、日本語で助詞の「は」を習得しましたと翻訳しても分からないだろうという話題がありました。あとは、高校として個別の指導があればそれを見たいけれど、実は、小学校、中学校、高校までの一貫したその子どもの能力を評価したシートが無くて、同じ地域でも小学校で作っていたものを中学に引き継げていないとか、あるいは高校進学先には中学校からそれを渡せないとか。そこに溝がある実態を知ることができ、なんとかしなければならないという話をしました。もしそれを把握することができれば、二度同じような指導をするようなことはおこらないだろうということです。理解を得るために市で何とか、日本語指導の担当者、国際理解と担当者で研修する機会をもって人材を育成することも大切であるということになりました。

 最後に、日本語指導に特化した話をしました。特別の教育課程で行う場合は主たる指導者はやっぱり教員であること、あるいはボランティアの関わる場合、どういう人を呼べば良いのかということが出ました。例えば、教科指導に特化する場合は元教員、日本語指導だったら日本語教師の資格や勉強したことがあるという方、母語が出来る人がいるなら活用するという話でした。

大菅先生

 ポイントは二つかなと考えます。まず、地域によって本当に進み具合がバラバラです。そのためこういう集まりになると、よく「あの地域だから出来るんだよね」「ウチは人材がいないから無理だよ」という話がなりがちですが、そう言ってしまうと一歩も進まないので、今日は今の段階で出来そうなこと、ヒントを持って帰ることを念頭に、具体的に方法を考えようということで話しました。やはり、声を出して知ってもらう事が体制作りの変化につながっていくことは確実なので、一人で抱えこまないことを話しました。日本語指導についても、やはり同じです。いろんな人に関わってもらって日本語指導を進めて行くのが一番良いのではないかというところで話がまとまりました。以上です。ありがとうございました。 

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平成27年度 第2回JSL研修の分科会報告(今澤先生)

今澤先生

 今澤班ではJSLの教科ということで経験が0~2年めの先生方だったので、午前中はいろいろな教科の具体例をお見せしながら、JSLの授業の作り方についてお話させていただきました。午後からは6年生算数の「比例」と2年生国語の「仕掛けカードの作り方」という教材を使って、指導案ではなくて、授業つくりということで、どんなことを目標にしたらいいか、どんな支援が考えられるかという2点にしぼって、考えていきました。

報告

 日本語教室担当になって、今年初めてという新任のかたもいらっしゃって、本当にこんな事も知らないのかと言われてしまいそうなことを質問して、先生にも沢山答えていただきながら、それも考えなければいけないのかというところを各自出していきながら、みんなで具体的に考えあうことができました。

① 6年算数

 想定した子ども...フィリピンから来た男子。在日6年だが、今も算数の教科書に出てくる言葉につまずいていて内容の理解が十分できていない。
 学習目標:比例のグラフを書く

 例えば言葉としては、横軸、縦軸、そして交わるところ、何々の値、あるいは対応する、それからメモリだったり、直線という言葉だったりを、具体的に問題を解いて一緒にいろいろなことをやりながら、その中でおさえていきたいというお話がでました。

 それから文型としてもこの中にはおさえていきたい算数の目標を達成するとともに、日本語としての目標にも迫れる文型も見つけることができました。たくさん出てくる表現は、「〇〇の値が、Aの時、△△の値はBになります」という表現が、教科書のあちこちに出てきます。それを使って、繰り返し言っていくことで、例えば「値」という言葉についても、ああこういう事なんだなという理解を図っていく。あるいは「〇〇がAの時、△△はBになります」という他の教科でも使えるような文型を一緒に指導していく。という風にしながら、実際に直線をいっぱい書いて、これが直線というんだということを、体と行動で本人に何かしていく様にする。そういう授業展開を考えていくことができました。

② 2年国語

 想定した子ども...在日一年目くらいの中国から来た男子。
 課題...光村「しかけカードの作り方」をどのように展開するか

 教科の単元としてのねらいがなんであるかまずおさえて、ではJSL国語としてこの単元の目標はどうするか、それから日本語の目標はどうするか、ということを考えました。まずは作り方の説明の仕方が分かるという事と、分かった説明の仕方で他の物の作り方を書くことができる、この二つの教科の目標として考えました。それで日本語の目標としては、順序を表すことばがいくつも出てきます。まず、「次に」、「それから」、「今度は」、「最後に」、というその5つをきちんとおさえたい。それと何々を何々したい、例えば「画用紙を売ります」というような表現が説明文の中にも沢山出てくるので、それを理解させて使えるようにしたい。最後に作る時につかう言葉も沢山出てきます。「切る」「折る」「貼る」「開く」「計る」そういう言葉を実際に読み取りながら、あるいは作りながら理解をさせて、書くところでも使わせたいというようなそういう単元、指導、実際に授業を考えることができました。

 全部を通して理解支援と表現支援を最後にみんなでまとめました。また、「しかけカードの作り方」の実際の文章を使いながらどこを省いて、どこをどう変えていくかということを考えて、みんなでリライト文を作ってみました。それから教科書にも写真がのっているんですが、リライト文と写真をこども達にどの様に提示しているか、それでいて何を狙っているのかというような話合いもできました。表現支援としては、やはりワークシートがとても大事になるということで、ではそのワークシートをどんな形にしていくか、それぞれの子どもの実態にあわせて、言葉の負荷をどう変えていったらいいのかということを、具体的に話し合うことが出来ました。全体を通して、今目の前にいる子ども達に、ではこれをこういう風に変えて、使っていけるのではないかということを携えることができた分科会になりました。ありがとうございました。

今澤先生

 2点お話します。まず比例のグラフを書こうという算数の授業なのですが、在籍学級でもグラフを書きます。では、在籍学級の授業と、このJSL算数の授業と何が違うのだろうというところですが、やはり言葉に視点をあてているかどうかというところです。例えば「Xの値が1の時は、Yの値は2になります」という事をわざわざ短冊にするかというと在籍の方ではなかなかそこまでの支援はやらないのだけれども、JSL算数ではそこをよくしっかりと練習してあげて使えるようにする。しかも、グラフを書くという作業を通じて、横軸、縦軸、それから何々の値とか、直線という言葉を自然に算数の作業の中でやっていく。言葉だけ教えると日本語指導の授業になってしまうので、算数の作業をしながら、言葉にもスポットをあてて支援をするのがJSLですよということを確認しながらやってきました。それともう一つ、理解支援、表現支援の話で、皆様も普段の授業からやられていることをもう少し言葉に絞って支援をしてあげると、それがそのまま生きて行くのではないかと思っています。例えば、短冊にする、色分けをするというのは普通の授業でもやられている事ですよね。それをもう少し言葉にポイントを絞って、その子にあった支援を考えていてあげるとそれが理解支援になり、表現支援になりますようという話をしました。

 また、月曜日から皆さん子どもたち待っていると思いますが、共にがんばりましょう。本当にお疲れ様でした。

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