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講演会【自閉症、言語、心の理論:20年の研究から見えてきたこと】


 自閉症の特徴として、言語発達の遅れや言語使用(コミュニケーション)の困難があることが知られています。これまでの研究から、自閉症児の乳児期の言語発達の遅れは児童期の社会コミュニケーションの困難と関連していることや、心の理論に代表される自閉症児の社会認知能力が言語力に支えられていることがわかってきました。本シンポジウムでは、自閉症児の言語コミュニケーションと社会認知に関する基礎研究を長く牽引してきた講師を国内外からお迎えし、過去20年間の研究を振り返りながら、より的確な自閉症児の支援方法と今後の研究のあるべき姿を探っていきたいと思います。関心をお持ちの皆さんのご参加をお待ちしています。

【開催概要】
■日時:2015年7月26日(日)13:00 - 17:00(開場12:30)

■会場:東京学芸大学 S講義棟 4階 410教室
会場へのアクセスは本学サイトをご参照ください
http://www.u-gakugei.ac.jp/access/ (キャンパスマップの14番です)

■一般公開(参加無料/申込要/定員150名[先着順])

※申し込みが定員に達しましたので、締め切らせていただきました。
 たくさんのお申込みをありがとうございました。(2015年7月21日)

■主催:科学研究費補助金(B)「会話における文脈理解力の発達要因の解明:「気になる子ども」に届く言葉がけのために」(研究代表者:松井智子[東京学芸大学])
■共催:東京学芸大学国際教育センター
■講演者:
フランチェスカ・ハッペ先生 (ロンドン大学)
別府 哲先生 (岐阜大学)
■指定討論:藤野 博先生(東京学芸大学) 


【プログラム】

12:30       開場
13:00       開会
      
13:15-14:55 講演1 
            Francesca Happe (University of London)
Thinking about mental states and language in autism spectrum disorder


15:10-16:10  講演2
            別府 哲 (岐阜大学)
自閉スペクトラム症の心の理解と支援-命題的心理化と直観的心理化の特異な機能連関

16:10-16:30 指定討論 
            藤野 博 (東京学芸大学)

16:30-17:00 ディスカッション

17:00       閉会

【参加お申し込み方法】

申し込みは、氏名、ご所属を明記の上、下記宛にメールにてお申し込みください。
件名「自閉症講演会申し込み」とし、本文に氏名・所属をご記入ください。

*ご質問、ご不明な点につきましても、下記までお問い合わせください。

【お申し込み・お問い合わせ先】

東京学芸大学国際教育センター 松井智子 研究室
Email:726matsui@gmail.com

〒184-8501東京都小金井市貫井北町4-1-1

国際教育センターURL:  http://crie.u-gakugei.ac.jp/
※会場はS講義棟です。【キャンパスマップ】をご参照ください。

【講演概要】

Thinking about mental states and language in autism spectrum disorder
Francesca Happe
Professor of Cognitive Neuroscience
Institute of Psychiatry, King's College London

'Theory of mind', the ability to represent mental states, has clear theoretical relationships with communication and language. Many theories of typical language acquisition rest upon the young child's ability to infer a speaker's intention. This leads to clear predictions about atypical language acquisition in any group with impaired theory of mind, most notably autism spectrum disorder. Language also appears to contribute to theory of mind test performance in autism spectrum disorder; those who do pass false belief tests and more advanced theory of mind assessments usually have higher verbal skills. Research and theory on the interplay between theory of mind and language in autism spectrum disorder will be reviewed, and future directions for the field will be discussed.


自閉スペクトラム症の心の理解と支援-命題的心理化と直観的心理化の特異な機能連関
岐阜大学教育学部教授
別府 哲

 自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorders; ASD)児者の心の理解については、誤信念課題により、通常なら4歳で通過できるものがVMA(Verbal Mental Age)9歳すぎで通過できる発達の遅れが注目されてきた。しかし、遅れだけでなく、形成される心の理論に質的な違いがあることも示された。定型発達(Typical Development)児者は、理由はいえないがなんとなく相手の心を感じる直観的心理化(intuitive mentalizing)をまず形成し、それを保持・洗練させながら、理由を命題として述べることができる命題的心理化(propositional mentalizing)を獲得する。一方、ASD児者は直観的心理化に弱さを抱えたまま、命題的心理化のみを獲得する。この特異な機能連関による質的違いがもたらす社会性障害の様相を明らかにしつつ、直観的心理化とは何なのか、ASD児者に直観的心理化は「欠損」しているといってよいのか?という問いを検討したい。