第12回 外国人児童生徒教育フォーラム

外国人児童生徒の「こころのケア」を考える -メンタルヘルスの支援体制づくりを目指して-

近年学校現場での子どものこころのケアの重要性が指摘され、さまざまな取り組みがなされるようになってきました。しかし、外国人児童生徒の心の問題はその背景の多様性もあってあまり取り上げられてきませんでした。今回の外国人児童生徒教育フォーラムでは、学校保健、カウンセリングなど異なる立場で子どもたちに関わっていらっしゃる先生方をお招きし、お話をうかがいます。また、フロアの皆様の体験なども伺いながら、これまでと異なることば、文化、社会の中で生活する子どもたちの心を、我々周りの大人たちがどのように支えていけるのかを考えてみたいと思います。

子どもたちからのSOSを受け止め、対処して行くには何が必要か、ご一緒に考えましょう!


■ 日 時 : 2011年10月1日(土)10:00~16:45
■ 場 所 : 中野サンプラザ
 (〒164-8512 東京都中野区中野4-1-1 TEL 03-3388-1151)
  最寄駅 JR中央・総武線/東京メトロ東西線「中野」駅 北口より徒歩1分

■プログラム
10:00 開会
10:00~10:05 開会挨拶
10:05~10:15 趣旨説明
10:15~10:55 【報告1】朝倉 隆司(東京学芸大学教育学部養護教育講座教授)
「学校保健からみた外国人児童生徒のメンタルヘルスをめぐる問題」

*朝倉先生は「学校保健」がご専門で、多くの養護教諭を育て、現場に送り出してこられました。また日系ブラジル人生徒が日本の学校で感じるストレスについてのご研究もあり「マイノリティーが健康に暮らせる社会づくり」を目指して活動されています。

10:55~11:35 【報告2】伊藤 美奈子(慶應義塾大学教職課程センター教授)
「日本における不登校の現状とスクールカウンセラーから見た支援の実際」

*伊藤先生は高校教員の時、担任した学級に不登校の生徒がいたことからから心理学の道へ進まれ、不登校の問題を中心に研究されています。スクールカウンセラーとして、直接子どもたちとも接していらっしゃいます。

~伊藤先生から~
外国人の子どもたちとの関わりは多くないですが、主に、日本の学校における不適応(主に不登校)の実態と、スクールカウンセラーからみた支援の実際についてお話しできればと思います。

11:35~12:15 【報告3】阿部 裕(明治学院大学・四谷ゆいクリニック)
「医療現場からみた外国人児童生徒のこころの支援」

*阿部先生は在住外国人、特に日系ラテンアメリカ人や難民のこころの支援ネットワークづくりに向けての基礎的な調査研究やこころの実践的支援活動に取り組まれています。また院長を務める四谷ゆいクリニックでは「多文化外来」を設置、先生ご自身もスペイン語でカウンセリングをなさっています。

12:15~13:30 昼食
13:30~14:00 【発題に対するコメント】箕口 雅博(立教大学現代心理学部教授)

*箕口先生は生活の場で起こる心理的/社会的問題の解決を目指す「コミュニティ心理学」がご専門です。留学生会館の相談室カウンセラーや、中国帰国者定着促進センターの精神保健コンサルタントも務めていらっしゃいます。

14:00~16:45 【パネルディスカッション及び全体討議】(途中休憩15分)
朝倉 隆司(東京学芸大学)
伊藤 美奈子(慶應義塾大学)
阿部 裕(明治学院大学・四谷ゆいクリニック)
箕口 雅博(立教大学)

パネリスト:佐藤 公孝(川崎市総合教育センターカリキュラムセンター課長)
*佐藤先生は昨年度まで帰国・外国人児童生徒教育の担当指導主事をされていました。子どもや保護者との面接、支援者の派遣、学校との連絡係と「日本語指導が必要な子ども」を取り巻く大人たちの結節点の役割を果たしてこられました。

16:45 閉会