学校管理職のための外国人児童生徒教育研修

■研修目的:
本研修の目的は、JSL実践をサポートしていく上で校内体制作りのキーマンとなる学校管理職が、外国人児童生徒教育や日本語指導に関する基礎的な知識と理解を深めることです。 具体的には、外国人児童生徒教育を進めていく上での学校経営上の留意点、他の教員に対する指導助言のあり方や啓発の方法、保護者や関係機関との連携のあり方などについて、知識と理解を深めます。併せて、日本語指導教室や日本語指導担当の現状を知ることによって、外国人児童生徒教育の指導環境を整備していく上での管理職としての自らの役割について、理解を深めます。
■受講対象: 外国人児童生徒が在籍する学校の校長、教頭・副校長等
■受講者数:30名
■開催期日: 平成19年8月4日(土)~8月5日(日)(計2日間)
■実施場所: 研修はすべて、東京学芸大学小金井キャンパス内で実施します
〒184-8501東京都小金井市貫井北町4-1-1 東京学芸大学 
■指導者:
・当センターの教員が、講義・演習等の講師のほか、研修全般にわたって、助言者、支援者として、受講者のサポートに入ります。 ・各研修プログラムでは、外国人児童生徒の在籍校で管理職経験のある先生や、外国人児童生徒教育に関して指導主事経験のある先生方に、講師として参加していただく予定になっています。
■プログラム 
【第1日目】(8月4日:土)
テーマ もし、自分が日本語指導担当だったら?
目 標 日本語指導担当が直面する課題を知る
9:30~12:00 講義・実習ー日本語指導担当について知る
講師 野口 恵美子先生(新宿区立大久保小学校教諭)(加配型:小学校)
      〃    (前八王子市立第六小学校教諭)(センター校通級型)
   高田 文芳先生(横浜市立港中学校教諭)(加配型:中学校)
   高橋 悦子先生
  (川崎市日本語指導等協力者、大和市外国人児童生徒教育相談員)(巡回指導型)
   佐藤 郡衛先生
  (東京学芸大学国際教育センター教授、JSLカリキュラム作成協力者会議座長)
・前半は、受講者が日本語指導教室、日本語指導担当、日本語指導等についてどのくらい理解しているかを確認するために、各自、簡単なワークシートを用いた作業を行う
・後半は、受講者のワークシート記入状況をもとに、講師が日本語指導担当の目から見た学校の中にある課題等について、講義を行う
・現場教員等の講義の後、JSLの指導環境について、当センター教員より総括講義を行う
12:00~13:00 昼食・休憩
13:00~14:45 講義ー外国人児童生徒教育における学校管理職の役割
講師 立野 健二先生(前神栖町教育委員会指導主事、現神栖市立深芝小学校教頭)
   佐藤 裕之先生(前川崎市教育委員会指導主事、現川崎市立殿町小学校教頭)
・ 学校全体として外国人児童生徒教育やJSL実践を行っていく上で、管理職に求められる役割や管理職が配慮する事項等について、外国人児童生徒教育に関する指導主事経験のある教員より講義を行う
15:00~16:30 演習ー外国人児童生徒教育における学校経営上の問題Mapの作成
講師 野口 恵美子先生(新宿区立大久保小学校教諭)
   高田 文芳先生(横浜市立港中学校教諭)
   高橋 悦子先生
  (川崎市日本語指導等協力者、大和市外国人児童生徒教育相談員)
   立野 健二先生(神栖市立深芝小学校教頭)
   佐藤 裕之先生(川崎市立殿町小学校教頭)
・受講者は、外国人児童生徒教育やJSL実践を行う上で、勤務校にいかなる問題や課題が存在するのかを考え、勤務校の問題Mapを作成する。そして、問題Mapを見ながら、抱える問題に着手する優先順位等を検討する。その際、可能であれば、問題や課題を抽出するだけでなく、問題の原因や課題解決の糸口なども記入する
・受講者は勤務校の実態に応じてグループに分かれ、講師の助言を受けながら作業を行う
【第2日目】(8月5日:日)
テーマ JSL実践の指導環境を整えよう
目標  校内体制作りに向けた学校経営計画を立てる
9:30~11:00 講義ー先進地域・学校の事例に学ぶ
講師 伊藤 哲也先生(豊田市立西保見小学校長)
   高橋 和男先生(横浜市立港中学校長)
・ 第1日目に考えた、勤務校が抱える問題や課題を解決していくための手がかりを得るため、先進地域・学校における管理職の経営実践事例について学ぶ 
11:15~12:00 演習ー問題解決に向けた学校経営計画案の作成
講師 伊藤 哲也先生(豊田市立西保見小学校長)
   高橋 和男先生(横浜市立港中学校長)
   立野 健二先生(神栖市立深芝小学校教頭)
   佐藤 裕之先生(川崎市立殿町小学校教頭)
・受講者は、第1日目に作成した問題Mapについて、同じような課題や問題に高い優先順位を置いた受講者同士でグループを編成し、グループごとに、自分達が抱える課題を解決していくための具体的な経営計画案を作成していく。
・経営計画案作成後、グループごとにその概要(成果)を発表する
・講師は、作業やグループ討議の際に助言を与える
12:00~13:00 昼食・休憩(各自)
13:00~15:00 演習ー問題解決に向けた学校経営計画案の作成
講師 伊藤 哲也先生(豊田市立西保見小学校長)
   高橋 和男先生(横浜市立港中学校長)
   立野 健二先生(神栖市立深芝小学校教頭)
   佐藤 裕之先生(川崎市立殿町小学校教頭)
15:15~16:30 振り返り討議・講義ー新たな課題の発見と管理職の役割の再確認
講師  浜田 博文先生(筑波大学大学院准教授:学校経営学)
・受講者は各自、計2日間の研修全体を振り返り、研修によって何を学んだか、どんな課題を発見したか、今後どんな課題に取り組んでいくか等について、研修記録をまとめる 
・研修成果を共有するために全体討議を行うとともに、研修成果を明日からの学校経営に生かしていくために、管理職の心構えや具体的行動についての総括講義を行う